2019-01-03 17:00
経済
ミャンマーの森林に生息する希少な野生生物を守る

天然ゴム生産のプロジェクトが始動
2018年12月25日、WWFジャパンはホームページで、天然ゴム生産のプロジェクトを開始したことを報告した。WWFジャパンとWWFミャンマーは、ミャンマー政府と小規模農家との協力のもと、このプロジェクトを進めている。
南北の保護区をつなぐタニンダーリ地域において、守るべき森林と農園の開発適地を明確に区分けする為に、土地利用計画の作成に取り組んでいる。また、ミャンマー政府やカレン民族同盟の関係者には、保護価値の高い森林を評価、分類する為のトレーニングを実施した。
今でもタニンダーリ地域を実質支配している、カレン民族同盟は長年、ミャンマー政府と抗争を続けてきたが、今回のプロジェクトに協力している。新しい法律の制定も環境や人権に配慮しながら、進められており、天然ゴム産業を目指している。
南北の保護区をつなぐ地域
タイとミャンマーの国境地帯にある広大な森林地帯には、絶滅の危機にある野生生物が多く生息する。トラやヒョウ等、8種の野生ネコ科動物やアジアゾウ、マレーグマが息づき、約18万平方キロメートル(日本の面積の約半分)の広さを誇る。WWFはこの地域をダウナ・テナセリウム・ランドスケープと名付けて、保全すべき地域としているが、保護区となっているのは予定地を含めても36%に過ぎない。保護区はこの地域の北部と南部に集中しており、南北の保護区をつなぐ地域では、2010年より天然ゴム農園の開発が進行中だ。
日本もミャンマーからの天然ゴムの輸入量が増加、森林破壊は今後も拡大する可能性が高い。南北の保護区をつなぐ地域のタイ側は、開発で森林がほとんど残っていない。南北の保護区のつながりを維持するには、残されたミャンマー側の森林の保全が不可欠だ。
南北の保護区が分断されてしまったら、インドシナトラやアジアゾウ等、希少な野生生物の個体群も小さく分断されて、絶滅の危険が高まる。
(画像はWWFジャパンのホームページより)
外部リンク
WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/
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