2018-12-21 10:30
社会
スーチー氏の人権賞また撤回 韓国の人権団体がロヒンギャ問題で

ロヒンギャ問題に着手しないことへの抗議
韓国の人権団体である「5.18記念財団(May 18 Memorial Foundation)」は12月17日、2004年にミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏に授与した「光州人権賞(Gwangju Prize for Human Rights)」を撤回することを発表した。5.18記念財団は、影響力のある政治的地位を持ちながら、国際的な批判を受けているイスラム系少数民族ロヒンギャへの人権侵害を阻止するために、スーチー氏が何も行動を起こさないことに対する抗議の精神を表現する決定だとしている。
同団体によると、ロヒンギャ問題が国際的に緊急の課題となった2017年9月以来、光州賞受賞者や国際プログラムの参加者などから抗議を受けていたという。
また、在韓国ミャンマー大使をはじめとするミャンマーの関係者に、財団名義で抗議文書を複数送付。しかし、ミャンマー側からの返事はなかったという。
スーチー氏はロヒンギャ問題が起きて以来、複数の賞が撤回されており、11月には国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの「良心の大使賞」が撤回されたばかりだ。
5.18記念財団と光州人権賞
光州人権賞は5.18記念財団が、1980年5月に起きた光州民主化運動の精神を記念して作った賞で、人権、民主主義、平和の促進に貢献した国内外の個人、団体、機関に対して2000年以来毎年授与している。光州民主化運動とは韓国の光州市(現在の光州広域市)で、民主化を目指す学生・市民が韓国政府に抗議した暴動事件だ。
抗議デモ参加者は約20万人といわれ、10日間にわたる銃撃戦の末、200人以上が死亡・行方不明になった。
同事件に象徴されるように光州市は「民主と人権を象徴する都市」として知られるようになり、1994年に5.18記念財団が設立された。
(画像は5.18記念財団より)
外部リンク
5.18記念財団
http://eng.518.org/
5.18記念財団のプレスリリース
http://eng.518.org/
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