2018-09-18 19:00
社会
ミャンマーの若者、ロイター記者の釈放を求めて抗議

新政府に対する怒りと失望
ミャンマー最大都市ヤンゴンで9月16日午後、少なくとも100人の若手活動家やジャーナリストらが集結し、ロイター通信のミャンマー人記者2人の釈放を要求した。抗議のために集まった中には、高校生もいたという。ロイター通信のワ・ロン(Wa Lone)記者(31)とチョー・ソウ・ウー(Kyaw Soe Oo)記者(28)は9月3日、国家機密法違反の罪で7年の実刑判決を宣告されている。
活動家のMaung Saung Kha氏(25)は、
「我々は非常に怒っている。新政府にも失望している。恥を知れ」(CHANNEL NEWS ASIAより)
と述べた上で、「判決を非難する。彼らは釈放されるべきだ」(CHANNEL NEWS ASIAより)
とつけ加えた。また、抗議活動を組織するジャーナリストのThar Lun Zaung Htet氏は、
「報道の自由を失うことは、我々の民主的な移行が後退していることを意味する」(REUTERSより)
と述べている。抗議活動に集まった若者は、実刑判決を受けた記者2人の写真と「ワ・ロンとチョー・ソウ・ウーを釈放せよ」というメッセージが書かれた黒い風船を空に放った。
「国民には知る権利がある」
Yangon School of Political Scienceの学生であるKo Aung Zaw氏は、「ワ・ロンとチョー・ソウ・ウーはラカイン州の殺害に関して真実を明らかにした。彼らの努力なしには、我々はそれを知ることができなかった」(Frontier MYANMARより)
と述べている。また、他の抗議者も、
「国民には自国で起きたことを知る権利がある」(Frontier MYANMARより)
と述べ、ロイター記者の行いが犯罪ではないことを示唆した。抗議グループが掲げていた看板には、“殺人は国家の秘密ではない”“真実を明らかにすることは犯罪ではない”というメッセージが含まれていたという。
これまでの経緯
ロイター記者2人は昨年12月、ラカイン州北部の村で、イスラム系少数民族ロヒンギャの男性10人が治安部隊により処刑された事件に関する証拠を収集していたときに警察官に招かれ、待ち合わせ場所のレストランで文書を渡された。しかし、その直後に国家機密法に反する文書を保持しているとして逮捕されている。
記者2人が逮捕された後、軍は兵士がロヒンギャ男性の殺害に関与したことを認めたが、記者が釈放されることはなかった。
また、5月に行われた予備審査では、検察側の証人として出廷した警察官が、逮捕は警察による「罠」だったと証言している。
しかし、判事は“国家の利益を損なうことを意図していた”として、禁錮7年の判決を言い渡した。
国連をはじめとする国際社会からは「釈放」を求める声が上がっているが、現状に変化はない。
(画像はFrontier MYANMARより)
外部リンク
Yangon youth protestors demand the release of jailed Reuters journalists
https://frontiermyanmar.net/
Myanmar youth, journalists demonstrate against jailing of Reuters reporters
https://www.reuters.com/
Dozens rally for jailed Reuters reporters in Myanmar
https://www.channelnewsasia.com/
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