2018-09-09 21:00
社会
ミャンマー政府、国際刑事裁判所の決定を拒否

ICCの決定を一蹴
ミャンマー政府は9月7日、東南アジア諸国が加盟国ではないにもかかわらず、国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)がロヒンギャに対する犯罪捜査権を有すると決定したことを断固として拒否した。ICCは6日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する同国治安部隊の迫害行為について、国軍幹部の訴追が可能だという決定を下している。
国連調査団は8月、ロヒンギャに対する迫害問題で、ミャンマー国軍最高司令官を含む国軍幹部が国際人道法に違反したと結論づけ、訴追を要求する報告書を公表していたからだ。
しかし、ミャンマー大統領府はICCの決定を
「誤った手続きの結果であり、疑わしい事案」(VOAより)
と声明で一蹴した。また、
「決定は悪意のある行為であり、手続き上の不正行為であり、透明性の欠如の結果だ」(THE DAILY STARより)
とした上で、ICCの決定を「断固として拒否する」(THE DAILY STARより)
とつけ加えたという。さらに、ICCの加盟国ではないため決定を尊重する義務がないことにも言及している。
ICCとは
ICCとは、オランダ・ハーグを拠点とする独立した常設の裁判所で、1998年7月にローマで開かれた国連全権大使会議で採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」に基づき、2003年3月に国際関心事である重大な犯罪について責任ある個人を訴追・処罰することを目的として設立された。法律的にも機能的にも国連から独立しているが、国連安全保障理事会はICCで訴訟手続きを開始することができ、ICCが管轄権を持たないような事案でもICCに付託することができるという。
管轄対象は「集団殺害犯罪」「人道に対する犯罪」「戦争犯罪」「侵略犯罪」などの国際人道法に違反する重大な事案である。
(画像はVOAより)
外部リンク
ICC
https://www.icc-cpi.int/
Myanmar: ICC Has No Jurisdiction in Rohingya Crisis
https://www.voanews.com/
Myanmar rejects ICC decision over Rohingya crisis
http://www.dailystar.com.lb/
関連する記事
-
2025-05-11 08:00
-
2025-05-09 12:30
-
2025-05-04 09:00
-
2025-04-30 18:30
-
2025-04-26 16:30