2018-09-15 12:00
社会
国境なき医師団、先の見えないロヒンギャ難民の窮状を報告

より良い生活を送るためにあくせくと働くロヒンギャ
2017年8月25日にミャンマー国軍がイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害を開始して以来、70万人を超える人々が隣国バングラデシュ・コックスバザールへ逃避。広大な難民キャンプを回りながら活動を続けている国境なき医師団(MSF)が、先の見えない難民の窮状を報告している。難民キャンプで暮らすロヒンギャは少しでも快適な生活が送れるように、地面の陥没を直したり、階段を作ったり、砂袋や土のうを積んで足場を作ったりと大忙しだという。
バングラデシュは難民がキャンプで長く暮らすことを想定しておらず、仮設住宅は竹とビニールシートで作られた簡易なものだ。当然、モンスーンの豪雨を防ぐには不十分で、家屋内はもちろん、家屋周辺も足元が滑りやすくなる。
また、清潔な水へのアクセスも困難で、井戸が使えても何度もバケツを持って往復しなければならない。さらに、女性は人目を避けて体を洗える場所もないという。
過酷な人生に立ち向かうしかない
すでに難民キャンプでの暮らしも1年を超えたが、彼らの故郷ミャンマーへの帰還は進んでいない。イスラム教の断食月「ラマダン」の終わりを祝う「イード」でも、彼らは悲しそうだったという。なぜなら、自宅で「イード」を祝うことができなかったからだ。
それでもロヒンギャ難民はこの暮らしに耐え、差別と暴力に苦しんだ過酷な人生に立ち向かうしかないのだろう。
ミャンマーから国民として認められていないロヒンギャ。数十年にわたる苦しみに終止符が打たれる日を願うばかりだ。
(画像はプレスリリースより)
(C)Simon Ming/MSF
外部リンク
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/
国境なき医師団のプレスリリース
http://www.msf.or.jp/news/
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