2018-09-13 08:00
社会
OHCHR、ミャンマー国軍幹部の訴追を目的とした準司法機関の設立を要請

「国際的な仕組み」が必要
国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレ(Michelle Bachelet)氏は国連人権理事会(UNHRC)で9月10日、ミャンマー国軍がイスラム系少数民族ロヒンギャに対して犯した罪の証拠収集と訴追を目的とした新たな準司法機関の設立を要請した。バチェレ氏は8月に国連人権高等弁務官に任命されたばかりで、同氏による国連人権理事会での初めての演説で要請している。
同氏は、
「最も深刻な国際犯罪の証拠を収集、統合、保存、分析するための独立した国際的な仕組みを作り出すこと」(CHANNEL NEWS ASIAより)
を求めたという。同氏はロヒンギャへの迫害が今後も続くと見ており、カチン州とシャン州の少数民族に対する処刑、拷問、性暴力の兆候も発見したことを明らかにした。
ICCの決定を歓迎
国連事実調査団は8月、ロヒンギャに対する迫害問題で、ミャンマー国軍最高司令官を含む国軍幹部が国際人道法に違反したと結論づけ、ミャンマーの状況を国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)に付託することを求めている。また、ICCもミャンマーがICCの加盟国ではないものの、加盟国であるバングラディシュで一部の犯罪が行われているため、管轄権を行使できると判断した。
バチェレ氏はICCの決定を歓迎し、
「これは刑罰を逃れることを終わらせ、ロヒンギャの甚大な苦しみに取り組むために非常に重要なステップである」(REUTERSより)
と述べている。一方、ミャンマー政府は、加盟国でないことを理由にICCの決定を尊重する義務がないとし、「断固として拒否する」ことを明らかにした。
なお、ミャンマー政府はロヒンギャ問題で、一貫して迫害の事実を認めていない。
(画像はREUTERSより)
外部リンク
U.N.'s Bachelet presses for new body on crimes against Myanmar Rohingya
https://www.reuters.com/
UN rights chief urges new panel for Myanmar prosecutions
https://www.channelnewsasia.com/
Collect evidence of Myanmar's crimes
https://www.thedailystar.net/
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