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2018-09-13 08:00

社会

【国連報告】ロイター記者の実刑判決は司法によるメディアへの「嫌がらせ」

国連
「民主的な移行には役に立たない」
国連は9月初めにロイター通信のミャンマー人記者2人が実刑判決を受けた問題について、メディアに対する司法の「非常に非道な」嫌がらせの例であり、「曖昧で広範囲な」法律はマスコミがミャンマー国内で仕事をすることを不可能にしたと報告している。

国連人権高等弁務官事務所(Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights)のミシェル・バチェレ(Michelle Bachelet)氏は、
「ジャーナリストが武装グループの支配地域を訪問しただけで情報を提供したとして投獄され、Facebookの投稿が名誉毀損の告発を招くような環境は民主的な移行にはほとんど役に立たない」(プレスリリースより)
と独立系メディアが直面する危険性の深刻さを強調した。

同報告書では、ロイター記者2人と現在合法的に拘束されている他のジャーナリストを無条件で即時釈放することを求めている。

なお、ロイター記者2人は、ラカイン州で国軍治安部隊がイスラム系少数民族ロヒンギャの男性10人を虐殺した事件を取材しているときに「国家機密法違反」で逮捕され、今月初めに7年の実刑判決を宣告された。

ジャーナリストをターゲットにした事件
国連の報告書によると、近年のミャンマーにおけるジャーナリズムに関連する刑事告発には、電気通信に関係する法律、国家機密法、非合法結社法(Unlawful Association Act)、電子取引法、さらに輸入と航空機に関係する曖昧な法律が使用されているという。

あるケースでは、3人のジャーナリストが2017年6月、国際麻薬乱用・不正取引防止デーを取材するためシャン州北部を訪問した際、武装勢力の支配下にある地域を訪問したとして非合法結社法の下、逮捕されている。事件は棄却されたが、67日間拘束された。

別のケースでは、カチン州の2人のキリスト教徒バプテストが、2016年12月に同じ法律で逮捕されている。紛争状況を取材するためにシャン州を訪れたジャーナリストを支援したためだ。彼らは数週間にわたり外部との連絡を絶たれ、最終的に2年3ヶ月の懲役刑を受けた。また、未認可のバイクを使用していたとして、輸出法の下でも告訴されたという。

他のケースでは、ミャンマー議会を撮影するためにドローンを使用したジャーナリストが電気通信法の下で拘束された。

国連報告書は結論として、国際人権法に準拠していないものを廃止または修正し、表現の自由の権利に影響を及ぼすすべての法的規定の見直しを勧告している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国連(UNITED NATIONS)
http://www.un.org/

国連のプレスリリース
https://news.un.org/en/

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