2019-03-30 09:00
社会
国際人権団体、マレーシアとロヒンギャに関する共同報告書を発表

「魚のように売られた」ロヒンギャ
東南アジアに拠点を置き、米国とスイスで登録された国際人権団体のフォーティファイ・ライツ(Fortify Rights)は3月27日、イスラム系少数民族ロヒンギャが受けた人身売買や残虐行為などに関する報告書をマレーシア人権委員会(Human Rights Commission of Malaysia:SUHAKAM)と共同で発表した。121ページにわたる報告書は「Sold Like Fish(魚のように売られた)」と題され、目撃者、生存者、人身売買業者、政府関係者などのインタビューを含む複数年にわたる共同調査に基づいている。
フォーティファイ・ライツによると、この報告書はロヒンギャ難民の女性、男性、子供たちに対する海上およびマレーシアとタイでの人身売買犯罪を記録したものだという。
2012年から2015年にかけて、17万人以上のロヒンギャがミャンマーとバングラデシュからマレーシアとタイに行く船に乗り人身売買の標的となったが、その大多数はロヒンギャであった。
人権を無視した残虐行為が横行
報告書によると、人身売買業者は何百、何千ものロヒンギャ難民を古い漁船に乗せ、適切な食料、水、スペースを奪い、拷問を行い、場合によっては海上で強姦したという。報告書は2012年から2015年までのロヒンギャ難民に対する犯罪に焦点を当て、犯罪シンジケートがロヒンギャ難民をだましてタイとマレーシア行きの船に乗せたことも記録されている。
また、マレーシア当局が人身売買のための収容所をどのように見つけて破壊したのかを文書化しており、さらに殺害されたロヒンギャを埋葬する集団墓地などについても記録されているという。
国境近くの人身売買収容所から逃れた20歳のロヒンギャ女性は、
「人々は毎日死んだ」(プレスリリースより)
と述べている。(画像はフォーティファイ・ライツより)
外部リンク
フォーティファイ・ライツ
https://www.fortifyrights.org/
フォーティファイ・ライツのプレスリリース
https://www.fortifyrights.org/publication
報告書「Sold Like Fish」
https://www.fortifyrights.org/pdf
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