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2019-03-24 09:00

社会

国際人権団体、中国国境でのミャンマー人女性の人身販売を報告

HRW
“花嫁”として性的売買
世界90か国で人権状況をモニターしている国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は3月21日、中国との国境に近いミャンマーのカチン州とシャン州北部の女性や少女が、人身販売業者により出産目的で中国へ売られていることを報告。中国へ売られた女性は軟禁され、性奴隷の犠牲になっているという。

HRWが発表した報告書「Give Us a Baby and We’ll Let You Go」は112ページにも及び、ミャンマー人女性が“花嫁”として性的売買されていることが記録されている。

同報告書の執筆者であるヘザー・バー(Heather Barr)氏は、ミャンマーと中国の両当局が軟禁や虐待を受けている女性の人身販売に背を向けていることに言及した上で、
「生計手段と基本的権利の保護が不足しているため、国境の両側の法執行機関を恐れているようなこれらの女性は人身売買業者の犠牲になりやすい」(プレスリリースより)
と述べている。

「一人っ子政策」で男女不均衡に
この報告書は、主に37人の人身販売被害者、被害を受けた3家族、ミャンマー政府高官及び警察、ならびに地元団体のメンバーなどへのインタビューに基づいている。

人身販売の生存者は、家族を含む信頼できる人々が中国での雇用を約束したが、代わりに中国の家族に3,000ドルから13,000ドル相当の金額で売られたことを明らかにした。また、中国国内では常に部屋に閉じ込められ、妊娠するよう強要されたという。

中国へ売られた女性の中には十代の少女も含まれ、中には5回もミャンマー警察へ通報した少女の母親もいた。しかし、警察には何の解決策もなかったという。

中国では1979年から2015年にかけて実施された「一人っ子政策」により男女不均衡となり、花嫁を見つけるのが困難になっていることが背景にある。だが、後継を生むために人身売買が行われることは許されない。

なお、中国には3,000〜4,000万人の「行方不明女性」がいると推定されている。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

HRW
https://www.hrw.org/

HRWのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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