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2019-03-29 11:00

社会

ミャンマー最高裁、国家機密法違反で投獄のロイター記者の審理開始

ロイター記者
証拠の欠如と警察による“罠”を主張
ミャンマー最高裁判所は3月26日、イスラム系少数民族ロヒンギャの迫害問題を取材していたロイター通信のミャンマー人記者2人が国家機密法違反の罪に問われた事件で上訴審を開いた。

ロイター通信のワ・ロン(Wa Lone)記者とチョー・ソウ・ウー(Kyaw Soe Oo)記者の2人は、同国ラカイン州での治安部隊によるロヒンギャ10人の殺害に関して取材をしていた2017年12月、警察官と面会した直後に逮捕されている。

2018年9月にヤンゴン地方裁判所で禁錮7年の判決を受け、今年1月の控訴審でも十分な証拠が提供されていないとして棄却された。

ロイター記者の弁護士であるKhin Maung Zaw氏は上訴審で、犯罪の証拠の欠如と記者2人が警察による“罠”により逮捕された証拠を挙げたという。

実際、下級裁判では検察側の証人として出廷した警察官が「逮捕は罠だった」と証言。また、ロヒンギャ10人の殺害に関与した治安部隊員も逮捕されている。

国際社会も注目
この事件は当初より「報道の自由」を支持する西側諸国や権利団体、国際的な報道機関などから懸念が示されている。しかし、ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏は、記者が実刑判決を受けた翌週、“事件は報道の自由とは無関係”という見解を示した。

ロヒンギャ迫害に関しては国連から「民族浄化」や「大量虐殺」との批判もあり、2017年に治安部隊が同国ラカイン州で弾圧を開始してからバングラデシュへ逃避しているロヒンギャも未だ帰還していない。

国際社会の厳しい批判の中、今後、事件がどのような結末を迎えるのか注目が集まる。

(画像はVoice of Americaより)


外部リンク

Myanmar's top court hears Reuters reporters' appeal in official secrets case
https://www.reuters.com/

Myanmar's Top Court to Rule on Jailed Journalists' Appeal
https://www.voanews.com/

Myanmar Supreme Court hears appeal of jailed journalists
https://www.foxnews.com/

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