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2019-03-14 20:00

社会

国連特別報告者、ロヒンギャが直面する苦難の最新情報を報告

国連
国軍の非を認めないミャンマー
ミャンマーの人権状況を調査する国連特別報告者である李亮喜(Yanghee Lee)氏は、47の加盟組織にイスラム系少数民族ロヒンギャに関する最新情報を報告。2017年8月に警察署が襲撃されたことをきっかけに勃発した分離主義的暴力を含む大虐殺で、約70万人のロヒンギャが同国ラカイン州からバングラデシュへ逃避したことを強調した。

昨年8月には、国連人権理事会(UN Human Rights Council)が任命した別の調査で、大量虐殺(genocide )、人道に対する罪(crimes against humanity )、戦争犯罪(war crimes)に対するミャンマー国軍トップの国際裁判所(ICC)への訴追が求められている。

ミャンマーの国連常任理事であるKyaw Moe Tun氏は李氏の最新情報を拒否。
「ロヒンギャが自分の家を放火させた」(プレスリリースより)
と主張した。

李氏は虐待の疑いを調査するためICCに訴追を求め、Kyaw Moe Tun氏は要請を受け入れられないと拒否し、平行線をただっている。

ロヒンギャ難民が国連人権理事会で初めて証言
国連人権理事会は、初めて2人のロヒンギャ難民の証言を聞いた。

証言者の1人は、2017年8月に村が攻撃されたときバングラデシュに逃げたことに言及した上で、
「私の兄弟姉妹、母、夫は殺された。私は何十万人ものロヒンギャに何が起こったのかを伝えることができる唯一のロヒンギャ女性だ」(プレスリリースより)
と述べている。

また、Lawyers’ Rights Watch Canadaが発表した同女性のコメントの中で、「賠償を含む当然の報い」「市民権を含む安全かつ安心できる帰国」「教育へのアクセス」という3つのリクエストを要請しているという。

ミャンマーとバングラデシュは2018年、国連主導の合意に基づき、ロヒンギャ難民の自発的で安全かつ尊厳がある持続可能な帰還を条件とする覚書を締結。

しかし、李氏はこの覚書の条件は満たされていないことを指摘した上で、
「同協定は数ヶ月で期限が切れる」(プレスリリースより)
と述べている。

同氏は昨年11月以降、アラカン軍とミャンマー軍との衝突により1万人もの人々が避難を強いられ、
「状況が当面改善するとは思われない」(プレスリリースより)
と状況の重大さを訴えた。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国連
https://www.un.org/en/

国連のプレスリリース
https://news.un.org/en/

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