2017-01-16 04:00
社会
国連特使、「民族迫害」調査のためミャンマーを訪問

12日間で戦闘地域を訪問
ミャンマー西部ラカイン州で続く国軍による少数民族ロヒンギャへの人権侵害が国際社会から高い関心を集める中、ミャンマーの人権に関する国連(UN)特別報告者ヤンヒ・リー(Yanghee Lee)が12日間の予定でミャンマーを訪問している。リー氏は1月9日、中国との国境にある山間部で国軍と民族武装集団が戦闘を続けるカチン州を訪問。同州政府のメンバーと会見し、戦闘で国内避難民になった人々の権利について話し合ったという。
リー氏は今後、ミャンマー政府により設置された調査委員会が否定した国軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャに対するレイプ、放火、虐殺などの迫害に関して調査を行う。
ミャンマーでは昨年10月、バングラディシュとの国境付近にあるラカイン州の国境警備隊が襲撃されて警察官9人が死亡して以来、国軍と民族武装集団による戦闘が続いている。また、治安部隊によるイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害が報告され、国際社会からの関心も高い。
国連は、この戦闘で少なくとも86人が死亡し、約3万4,000人のロヒンギャが国境を越えてバングラディシュに逃げ出したとしている。
スーチー氏の対応へも懸念が投げかけられる
ミャンマーの民主主義を象徴するアウンサンスーチー氏は、昨年4月に事実上のリーダーとして同国をけん引している。一方、国境地域における紛争は増加を続け、政治的に重要な役割を果たしているスーチー氏の人権擁護と軍の抑止力に疑問が投げかけられることとなった。
また、世界最大のイスラム人口を抱えるマレーシアとインドネシアは、ラカイン州で起きている「民族浄化」に深い懸念を示している。
リー氏は、
「ここ数カ月の出来事は、国際社会が人権状況を監視・警戒する必要があることを示している」(REUTERSより)
と述べ、ミャンマーの状況に懸念を示した。さらに、カチン州とシャン州での国軍と反政府勢力の戦闘が激化したことに対し、
「新政権が最初の1年間に取る方向については何らかの不安を感じている」(REUTERSより)
と述べ、同国政府に対する不信感を明らかにしている。(画像はPRESS TVより)
外部リンク
UN rights envoy visits Myanmar amid border violence, report of abuse
http://news.trust.org/
UN rights envoy to inspect reports of abuse in Myanmar
http://aa.com.tr/
UN special envoy arrives in Myanmar for probe
http://www.presstv.ir/
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