2016-10-22 10:30
社会
国際人権団体がミャンマー政府に「人道支援の制限解除」を求める

援助の妨げは国際人道法違反
国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は10月20日、ここ数週間ミャンマー北西部のラカイン州とカチン州で勃発している武力衝突により現地の状況が悪化し、国連や国際人権団体による人道支援が制限されているため、直ちに解除するよう求めた。人道支援が制限されている地域には、世界で最も迫害を受けているといわれるロヒンギャが多く暮らしている。また、過去数年間の武力衝突により、数万人のロヒンギャが住まいを失い、避難民キャンプでの生活を強いられている。
アムネスティ・インターナショナルは、
「武力衝突に関わる全ての者が民間人への公平な人道支援を促す義務があり、そのような援助を妨げることは国際人道法違反だ。当局は自由な人道支援へのアクセスを保証しなければならい。」(ニュースレターより)
と主張している。ラカイン州とカチン州の現状
カチン州では、ミャンマー軍とチン独立軍(Kachin Independence Army)による17年間の停戦が決裂した2011年6月以降、武力衝突が再開されている。国際連合人道問題調整事務所(UN OCHA)によると、カチン州にはミャンマー政府のコントロールを越えたエリアに、約8万7,000人の避難民が存在するという。
また、ラカイン州マウンドーでは10月9日未明に3か所の警察署が攻撃されたのを機に、激しい武力衝突が繰り返され、地元住民の多くが恐怖から避難しているという情報もある。
さらに、避難民の多くは医療へのアクセスを妨げられているのが現状だという。
民主化を進めるミャンマー新政権にとって、避けることができないロヒンギャ問題。政府の対応に注目が集まる。
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/en/
アムネスティ・インターナショナルのニュースレター
https://www.amnesty.org/en/latest/news/
国際連合人道問題調整事務所
http://www.unocha.org/
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