2017-10-11 20:00
社会
暴力から逃れたロヒンギャの子どもら13人が溺死:IOM

定員の3倍が乗る船で夜間に移動
世界的な人の移住の問題を専門に扱う国連の機関である国際移住機関(International Organization for Migration:IOM)は10月9日、ミャンマー・ラカイン州でイスラム系少数民族「ロヒンギャ」が暴力から逃れるため乗った漁船が防風により転覆し、少なくとも13人の子どもが溺死したと発表した。バングラデシュの海岸警備隊は、3歳から10歳の男の子7人、2歳から3歳の女の子4人を含む13人の遺体を発見。また、60歳代の女性1人、70歳代の男性1人の遺体も発見されている。
長さ20mほどの転覆した木製漁船は20人乗りだが、その3倍の人数となる約60人のロヒンギャ難民が乗り込み、バングラデシュへ向かっていた。また、ミャンマー・バングラデシュ両国の国境巡回を避けるため、夜間の移動であったという。
同地域では、8月25日に発生した警察署襲撃事件以来、多くのロヒンギャが治安部隊による暴力から逃れるためバングラデシュへ移動。10月7日現在、その数は51万9,000人に達している。
家族全員を失った子どもたち
IOMのスタッフは生存者に話を聞いている。ケガをした8歳の少年は、この事故で家族全員(父・母・姉・弟)を失い、
「僕は今、どこへ向かっているのだろう?」(プレスリリースより)
と悲しみに暮れ、泣いていたという。また、この少年の隣に座っていた子ども2人も家族全員を失っている。さらに別の生存者ハッサン(22歳)も、両親、妹夫婦、妹夫婦の子ども3人を含む9名全員が見つかっていない。
IOMによると、事故に巻き込まれた難民はラカイン州の村落から来ており、海岸まで11日間歩き続けて’海岸に到着。その後、悲劇に見舞われたという。
なお、ロヒンギャはバングラデシュへ逃げるために、1人あたり30米ドルをバングラデシュの漁師に支払っていたことも判明している。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国際移住機関(International Organization for Migration)
https://www.iom.int/
国際移住機関のプレスリリース
https://www.iom.int/news/
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