2017-09-18 20:15
社会
国際人権団体、ロヒンギャ虐待の証拠を提示しミャンマーを非難

「これは民族浄化だ」
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International、以下「アムネスティ」)は9月14日、ミャンマー・ラカイン州で同国治安部隊と自警団がイスラム系少数民族「ロヒンギャ」を追い出し、村を焼き払っているとし、証拠の存在を明らかにした。証拠は国境を越えてバングラデシュへ逃避したロヒンギャへのインタビューや、火災探知データ、写真、ビデオ、衛星画像などである。
アムネスティの危機対応担当ディレクター、ティラナ・ハッサン(Tirana Hassan)氏は、
「証拠に対して反論することはできない。ミャンマーの治安部隊は、ロヒンギャをミャンマーから追い出すためにラカイン州北部を焼き払っている。間違いなく、これは民族浄化だ」(プレスリリースより)
と述べ、ミャンマーを非難した。アムネスティによると、8月25日の警察署襲撃事件以来、ラカイン州北部で80件の大規模火災を確認しているという。
ミャンマー政府による当該地域へのアクセス制限があり、被害状況の正確な数字はわからないが、モンスーン期の雲により全ての火災を衛星が捉えることができないため、実際の火災数と家屋破壊は遥かに多くなることが予想される。
組織的かつ調整された攻撃
アムネスティによると、治安部隊によるロヒンギャへの行為には組織的な虐待パターンがあるという。そのパターンは、治安部隊が村を囲み、発砲して村人をパニック状態にして逃げさせ、その後、家を焼き払うというもの。
これは、バングラデシュへ逃避したロヒンギャによる証言とも一致する。現状はさらにひどく、中には「軍が2人の少年を殺害するのを見た」という証言もあるほどだ。
アムネスティはこれらの行為に対し、
「法的にいえば、これは人道に対する犯罪であり、組織的な攻撃かつ民間人の強制的な国外追放だ」(プレスリリースより)
と訴えている。(画像はプレスリリースより)
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/en/
アムネスティ・インターナショナル日本
http://www.amnesty.or.jp/
アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/en/latest/news/
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