2017-03-02 06:00
社会
国連特使、ミャンマー政府に「ロヒンギャの保護」要請

当初の想定より遥かに大きな暴力
ミャンマーとの国境に近いバングラデシュへの訪問を終えた国連(United Nations:UN)の特別報告者ヤンヒ・リー(Yanghee Lee)氏は2月27日、ミャンマー治安部隊の暴動によりバングラデシュに逃れたイスラム系少数民族「ロヒンギャ」への苦しみを終わらせるようミャンマー政府に要請した。国連は、ロヒンギャが目撃・経験した暴力の大きさは、リー特別報告者が当初想定していたものより遥かに大きなものであったと強調している。
それらの暴力は、無差別の射撃、幼い子供たちへの暴行、強姦などの性的暴行に至り、喉をかっ切ったり、家屋内に縛られた状態で家に火をつけたりと、恐ろしい攻撃の数々であったという。
リー特別報告者は、
「ミャンマー政府はロヒンギャが直面している差別を直ちに中止し、さらに重大な権利侵害を未然に防止し、発生したと主張する人々に対して迅速で独立した公平な調査を徹底的に実施するよう促す」(プレスリリースより)
と述べ、ミャンマー政府に対し、緊急な対処を要請した。ミャンマー政府の対応に注目
2月初めに、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はミャンマーを逃れたロヒンギャとのインタビューに基づき、国の治安部隊による大量の強姦、残忍な殴打、失踪、乳幼児を含む殺害などをレポートとして発表している。ミャンマーではロヒンギャをバングラデシュからの移民としており、国民としては認めていない。
そのため、ロヒンギャは長期にわたり差別的な扱いを受けているが、昨年10月に国境付近の警察署が襲撃されたのをきっかけに、彼らに対する弾圧は加速され、国際社会からも「民族浄化」だと懸念が示されていた。
ミャンマーが真の民主国家を目指すためには避けて通ることができない民族紛争。今後のミャンマー政府の対応に注目が集まるところだ。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
United Nations
http://www.un.org/en/index.html
UNのプレスリリース
http://www.un.org/apps/news/
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