2018-01-14 09:00
経済
ミャンマーの一部雇用者と労働者、最低賃金に異議

個別あるいは集団で異議申し立て
ミャンマーの一部の雇用者と労働者は、新年早々に発表された1日の最低賃金4,800チャット(約400円)に対して、強い反対を表明している。国家最低賃金委員会によると、規定の手続きの下、個別あるいは集団で異議申し立てが労働・入国管理・人口統計省に提出されたという。
雇用者と労働者は、それぞれの地域委員会や州委員会を通じて、発表後60日以内に提案された最低賃金に反対することができる。
今後、政府は論理的理由を有する反対派の雇用者や労働者と交渉を行う。
ミャンマーでは、2015年に決定された最低賃金3,600チャット(約300円)であったが、今回の決定で33%引き上げられている。
雇用者は最低賃金が4,000チャット(約336円)を上回れば困難に直面すると訴え、労働者は5,600チャット(約470円)を要求していた。
労働者の言い分
ラインタヤ(Hlaingthaya)工業地区の労働組合メンバーによると、決定された金額は個人が生存できる程度のもので、家族の支出は含まれていないという。同氏は、
「クレソンは1束200~300チャット(約17円~25円)で販売されている。さらに、1.6kgの玉ねぎは1袋3,000チャット(約251円)以上だ。商品価格の上昇に伴い、最低賃金が5,600チャットで通常の生活を送ることができる」(プレスリリースより)
と述べている。また、ヤンゴンに来ている出稼ぎ労働者は、宿泊費やその他の費用が必要になることも付け加えた。
新たに設定された最低賃金は10人以上の労働者を抱えるすべての企業、すべての地域および州にわたって適用されるが、労働者側は5人以上の労働者を抱える企業も適用するべきだと訴えている。
雇用者の言い分
Shwelinpan工業地域のAye Thaung会長は、4,800チャットという金額がすべての分野に影響をおよぼすことはないとしながら、委託加工形態ビジネスであるCMP(Cutting, Making and Packing)システムを導入している衣料品業界は、雇用者が困難に直面するとの見解を示した。同会長は、
「雇用者の中には最低賃金を強く批判していない人もいるが、彼らは政府が高水準の輸送、不十分な電力供給、キャビネットの作業の遅れ、課税などの問題に取り組んでほしいと思っている」(プレスリリースより)
と賃金以外の問題にも言及している。最低賃金が引き上げられれば経済が減速し、海外からの投資も進まなくなるが、反対に最低賃金が低すぎれば労働者が海外に流出してしまう恐れがあると指摘。政府はこれらを考慮に入れた上で、適切な金額を設定する必要があるという。
今後、ミャンマー政府がどのように対処するのか注目が集まるところだ。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
ミャンマー情報省のプレスリリース
http://www.moi.gov.mm/moi:eng/
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