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2017-12-09 09:30

社会

日本脳炎ワクチン接種プログラムの第2段階に向け、安全性向上や啓蒙活動

日本脳炎
学校だけでなく様々な施設で接種
日本脳炎ワクチン接種プログラムの第2段階の安全性を確保するために、保健スタッフは、子どもの医療記録を確認し、日本脳炎のワクチンを接種するべきかを決定することとなった。

Than Tun Aung医師は、次のように説明した。
「ワクチン接種チームは、子どもたちの医療記録を確認するために、プログラムのスタッフを保健センターに待機させ、子どもたちのワクチン接種後の状態を観察するためのグループもいます。日本脳炎ワクチン接種をした結果の重要なメッセージを、両親に提供することも計画しています。もし、接種後の問題を見つけた場合は、緊急の治療を行う準備もできています。」(プレスリリースより引用)

接種キャンペーンの第1段階は11月15日から23日に実施され、すべての州と地域の保健チームは、5才から15才の子どもに接種するために、国中の学校だけでなく、宗教施設や民間機関を訪問した。11月24日のデータによると、チームは860万人の子どものうち830万人の子どもに対し、日本脳炎のワクチンを接種した。

第2段階では、12月11日から20日に、予防接種ポストが病院や保健センター、区や村の役所、修道院、その他のコミュニティ施設に設置され、第1段階で接種できなかった、9ヶ月から15才の子どもたちに接種することとなっている。保健省は、コミュニティベースの予防接種プログラムで、さらに500万人の子どもをターゲットにしている。

これまで、ラカイン州の83%、ヤンゴン地域の90%、北シャン州の91%、南シャン州とカヤー州では94%、その他の地域で95%の割合で、日本脳炎のワクチンが接種されている。

ワクチンの安全性を確認
第1段階のキャンペーンで、5人の子どもがワクチン接種後に死亡した。

北オクカラパで3才の子どもを持つ母親は、「接種後に亡くなった子どもがいると聞いて、日本脳炎のワクチン接種を受けることを心配している。」と語った。

Htar Htar Lin医師は、次のように言った。
「中央ワクチン接種プログラムのチームは、ただちに、死亡原因についてワクチン接種と関連があるかどうかを調査しました。我々は、5人の子どもの検死と臨床検査を行い、子どもたちは他の病気が原因で死亡したと確認しました。」(プレスリリースより引用)

また、小児科医で、予防接種実践のための国家委員会の副委員長であるSaw Win教授によると、現在、世界保健機関の勧告を受け、11ヶ国で4億人以上の子どもが日本脳炎の予防接種を受けており、日本脳炎ワクチンは、ワクチンの安全性に関する世界諮問委員会によっても推奨されているという。

特効薬はなく予防接種が予防に効果的
ミャンマーの人々は、日本脳炎に苦しんでおり、2017年には、合計で315の症例が報告されている。スポーツ・保健省は、2018年1月に始まる国家予防接種プログラムに日本脳炎を加えることを決定した。

日本脳炎は、水辺や浸水水田で繁殖したコガタアカイエカからヒトに感染したウイルスによって引き起こされることから、主にアジアの農村部で発生する深刻な感染症である。

その症状は、最初は軽度の発熱、頭痛および嘔吐であり、重度になると発作、脳の腫れ、意識消失、さらには死亡につながる可能性がある。日本脳炎には効果的な治療法はなく、予防接種を受けることが全員を予防する最善の方法である。

子どもたちが一度日本脳炎のワクチン接種を受けた場合、90%の確率で日本脳炎を防ぐことができ、2度ワクチン接種をする場合、99%の確率で日本脳炎を防ぐことができる。

ミャンマーとアジア太平洋地域の24ヶ国で、年間100,000例の感染症のうち日本脳炎は68,000例と推測され、感染者のほとんどは15才未満の子どもである。このうち、死亡者数は13,600人から20,400人に増加したと世界保健機関は推測している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

ミャンマー情報省
http://www.moi.gov.mm/moi:eng/?q=news/6/12/2017/id-12228

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