2015-06-24 09:00
文化
【福岡アジア文化賞】ミャンマーの歴史学者が大賞に!

アジアの学術・芸術・文化に貢献した人々に贈られる賞
福岡市などが主催する「第26回福岡アジア文化賞」に、ミャンマーの歴史学者でありヤンゴン・ヘリテージ財団会長でもあるタン・ミン・ウー氏が大賞に選出された。「福岡アジア文化賞」は1990年に、アジア地域の優れた文化の振興と相互理解に貢献するため、福岡市・学会・民間が一体となり設立。毎年、アジアの学術・芸術・文化に貢献した人々に贈られる。
今年度はタン氏の他に、学術研究賞にインドの歴史・社会学者であるラーマチャンドラ・グハ氏、そして芸術・文化賞にベトナムのファッションデザイナーであるミン・ハン氏が選ばれた。
「福岡アジア文化賞」の選考地域は東アジア、東南アジア、南アジア。また、日本国内およびアジアを中心とした世界54か国・地域の教育・研究機関、芸術文化団体および報道機関等の関係者による推薦に基づき選考される。
歴史家であり平和創造の実践家のタン氏
タン氏は1966年米国ニューヨーク市で生まれた。ハーバード大学を卒業後、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院で修士号(国際関係論・国際経済学)を取得。また、1996年には英国ケンブリッジ大学でも博士号(歴史学)を取得している。加えて、1992年から国際連合の一員としてカンボジア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで平和構築活動に従事した経歴も持つ。
同氏は、2010年より活動拠点を米国からミャンマー・ヤンゴン市へ移し、2012年に同市で「ヤンゴン・ヘリテージ財団」を設立。ミャンマーの重要な建造物の保存に尽力している。
また、テイン・セイン大統領をリーダーとする諮問評議会の評議員やミャンマー平和センターの特別顧問も務め、2015年3月に政府と諸民族との間で締結された「停戦協定合意」の実現に大きく貢献したとされる。
このように、同氏はグローバルな視点から母国ミャンマーの歴史を考察するばかりでなく、ミャンマーの国民統合の課題にも取り組む、平和創造の実践家。歴史を重んじ、さらに未来に向かってミャンマーに貢献する、福岡アジア文化賞「大賞」にふさわしい人物である。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
福岡アジア文化賞
http://fukuoka-prize.org/
福岡アジア文化賞のプレスリリース
http://fukuoka-prize.org/news/release/002612.php
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