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2014-12-28 08:00

社会

【スマトラ沖地震】忘れ去られたミャンマー人移民

スマトラ沖地震
忘れ去られたミャンマー人犠牲者
2004年12月26日、インドネシア・スマトラ島を震源とする大地震が発生し、22万人以上の人々がインド洋大津波の犠牲となったのは記憶に新しい。

そして被災から10年目を迎えた2014年12月26日には、タイのプーケット島をはじめとした被災地で慰霊祭が行われた。

津波がタイ南部を襲ったときに死亡した外国人労働者の多くが労働許可証を持たずに労働しており、家族は身柄拘束や強制送還を危惧して数週間が過ぎても届け出を出せずにいた。そのため、津波発生時の正確な外国人労働者の数は不明となっている。

タイ政府が公式に発表した犠牲者は5395人。一方、タイ南部で津波により死亡したミャンマー人移民は約2000人と推定されているが、公式な統計に含まれているのは一部のみだ。

加えて、10年が経過した現在でも身元不明となっている約400人のうち、4分の1がミャンマー人だとみられている。

スマトラ沖地震が発生した後、メディアは外国人観光客やタイ人の犠牲者を多く取り上げたが、ミャンマー人移民がフォーカスされることはほとんどなかった。しかし、ミャンマー人移民は、今なお被災の爪あとに苦しんでいる。

津波発生前より多いミャンマー人移民
津波がタイ南部のパンガー県を襲った直後、1000人以上のミャンマー人が帰国。しかし、多くのミャンマー人が職を求めて舞い戻り、ナムケム地区には現在でも2000人ほどのミャンマー人が暮らしてる。その数は津波が発生する前より多いという。

ミャンマー人移民のほとんどは正式な労働許可証を取得しており、鮮魚の水揚げや水産工場などで働いている。また、労働許可証を取得したため、子どもたちも学校へ通えるようになった。

同地区にはミャンマー人コミュニティーもでき、両親をなくした子どもたちはNGOが支援。彼らはタイ語もミャンマー語も流暢に話すことができ、大学を卒業した者もいるという。

生活環境は大きく改善されたが、彼らの心の悲しみは癒やされることはないだろう。しかし、その悲しみをバネに、前を向いて一生懸命生きる姿には勇気づけられる。

(画像はイメージです)


外部リンク

インド洋大津波にのみ込まれた家族、ミャンマー移民の10年
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=

動画:インド洋大津波から10年、今も続くミャンマー人労働者たちの苦悩
http://www.afpbb.com/articles/-/3034912

スマトラ沖地震から10年目=忘れられたミャンマー人労働者たち
http://www.globalnewsasia.com/article.
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