2016-01-31 18:00
社会
ミャンマーの栄養失調問題とWFP食糧支援の状況

慢性化する資金不足 乳幼児と妊婦のサポートを最優先
トムソン・ロイター財団が、ミャンマーにおける食糧や現金の不足について、国際連合世界食糧計画(WFP)に独占インタビューを行った。WFPミャンマーディレクターのDom Scalpelli氏によれば、ミャンマーの資金不足は非常に深刻で、慢性化している問題だという。
昨年の洪水や地滑りをはじめ、緊急支援を必要とする状況が続いているが、そのためのトラックやガソリンを用意する資金が不足している。
食糧については、避難民に配給するための十分な量は蓄えてあるという。生命維持のため、5歳以下の乳幼児と妊婦への栄養面でのサポートを最優先する。
次に、小学校の児童約23万人を対象に栄養スナックを配布した。特に避難民の多いカチン州、ラカイン州、シャン州への支援を強化している。同時に、ダムや池、道路、橋など社会的インフラの再建にも努めた。
資源は豊富だが続く栄養失調 教育と行動の改善が必要
ミャンマーは東南アジアの中で、東ティモール、カンボジアに次いで栄養失調の人が多い。農作物を生産するための資源が豊富にあるにもかかわらず、なぜこのような状況が続いているのか。Scalpelli氏は、ミャンマー米の栄養価が低いことが原因の1つだとしている。また、農業に適さない地域や農業技術を持たない地域、少数民族が暮らす地域では米、野菜などが生産できず、栄養失調者が多い。
さらに、栄養に対する教育と行動が大きく影響しており、早すぎる出産や精神面の問題も栄養失調に大きく関わっているという。Scalpelli氏は東京の例をあげ、
戦後間もなくは背の低い人が多かったが、今は背の高い人が多い。世代が変わりサイクルを断ち切ったことが原因だ。(トムソン・ロイター財団/ニュースより)
と述べている。
WFPはミャンマー政府とともに、昨年から「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」を開始。2025年を目標に発育不良の子どもをなくそうという取り組みを進めている。
(画像:トムソン・ロイター財団/ニュースより)
外部リンク
トムソン・ロイター財団/ニュース
http://news.trust.org/
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