2015-09-13 14:00
文化
元政治犯アーティスト、ヤンゴンで大規模な個展を開催

民主化運動で拘留 難民キャンプで師となるアーティストと出会う
先月、政治犯として拘留された経験のある49才のアーティストHtein Lin氏が、ヤンゴンで大規模な個展を開いた。9月7日、アル・ジャジーラが、Lin氏のインタビューを掲載した。イラワジデルタ出身のLin氏は1980年代、ヤンゴン大学で法律を学びながら学生運動に参加していた。
全国的な反政府デモ、8888民主化運動が発生したとき、Lin氏は軍の弾圧から逃れるため、他の学生とともにジャングルに身を隠した。その際、インド国境に近い難民キャンプである著名なアーティストに出会い、アートを学んだという。
9か月の拘留中、学生たちはスパイとして疑われ軍から拷問を受けた。この辛い経験が、彼の制作に影響を与えている。
壁面を埋める430個の手 元政治犯から型を取って制作
展覧会は、ゲーテ・インスティテュートが所有する、築後およそ100年のビルで行われた。第二次世界大戦中は日本の秘密警察本部として、1960年代にはヤンゴン美術学校として使われていた。メインとなった作品はプラスチック型で作られた、430個以上の白い手。壁面にびっしりと並ぶ白い手は、元政治犯から石こう型を取って制作した。
このアイデアは、亡命先のロンドンで事故に遭った際、腕にギプスをはめたのをきっかけに思いついたという。作品には「どうしたらこれまでの人生で壊れたものを、全て修正することができるか」そのような問いが込められている。
Lin氏は、今後も元政治犯を訪問しながら、1000個の手を制作することを目標としているという。
(画像:アル・ジャジーラより)
外部リンク
アル・ジャジーラ
http://www.aljazeera.com
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