2014-12-02 18:00
社会
オーストラリア政府がミャンマーの移民と国境管理を強化‐ミャンマーの環境は改善されるのか?

5カ年計画に着手
ミャンマーとオーストラリアは、近隣国に離散したミャンマー人の帰国や国境周辺の強化に関する覚書を締結した。オーストラリア移民局スコット•モリソン(Scott Morrison)大臣によると、オーストラリア政府はミャンマーの国境管理改善のためにの5カ年計画に着手。
この計画には、管理、トレーニング、開発、システム構築、技術などが含まれ、国境管理の分野を改善・強化する。計画の一部である電子ビザは、既に正常に稼働している。
オーストラリアは世界で最も移民が多い国の一つ。世界各国から移民を受け入れていることでも知られており、移民政策も充実している。
また、オーストラリアには多くの不法移民も漂着。国内だけでなく、漂着してくるそれぞれの国の問題を解決する取り組みも実施。
モリソン大臣はオーストラリアを成功した移民社会と位置づけ、ミャンマーへの支援に自信を覗かせている。
緩やかではあるが改善に向かうミャンマーの環境
ミャンマーは民主化が進み、経済的なブームを迎えているが、難民や東南アジア諸国で暮らす多くの少数派民族、亡命者などの問題を抱えている。ミャンマー出入国管理・人口省のKhin Yi大臣によると、ミャンマー国民が国を離れる理由は宗教的な内部対立と求職。
それらの理由で国を離れた“正式書類を持たない”ミャンマー人がタイに300万人、マレーシアに20万人以上いると言われている。
ミャンマー政府は、これらの人々にミャンマーのパスポートを発行するために、タイとマレーシアの大使館と交渉。また、かつてミャンマー国籍を有していた人々が海外でもパスポートと永住ビザを取得できるシステムも導入している。
これらを活用すればミャンマーへ戻って働くことができるが、問題はそんなに単純ではない。特にライカン州のロヒンギャに関しては未だ難しい問題を抱えている。おおよそ7000人のロヒンギャがミャンマーの市民権を取得しているが、ロヒンギャ全体からみればわずかな数にすぎない。
しかし、ミャンマーの人々が長く過ごした厳しい状況と比べると、少しずつではあるが状況が改善されているといえるだろう。今回のオーストラリア政府の取り組みが、ミャンマーのさらなる環境改善につながることを期待したい。
(画像はTHE AUSYRALIANより)
外部リンク
Myanmar Gets Australia's Help To Secure Borders
http://www.bernama.com/bernama/v7/wn/newsworld.php?id=1089405
Baby steps as Myanmar seeks help on ethnic integration and expats
http://www.theaustralian.com.au/opinion/columnists/baby-steps-as-myanmar-seeks-help-on-ethnic-integration-and-expats/story-e6frg76f-1227138807882?nk=8c9cb78fc9919f7d1ed8cb207fd06454
Australia to help secure Myanmar's borders
http://www.sbs.com.au/news/article/2014/11/29/australia-help-secure-myanmars-borders
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