2014-12-05 00:00
社会
仏教徒と異教徒の結婚規制法案‐さらなる宗教対立に懸念

異教徒間の結婚や改宗に政府の許可
ミャンマー政府は、11月末に同国の多数派を占める仏教徒と異教徒との結婚を規制する法案を含む4つの争点法案を議会に提出していたことが12月1日明らかとなった。提出されたのは、前述した「仏教徒と異教徒間の結婚規制」のほか、「改宗」「一夫一婦制」「人口抑制」の4つである。
仏教徒女性とイスラム教徒との結婚や仏教徒の改宗には、政府の許可が必要となる内容。また、妻に改宗を強いた場合は最高で禁錮3年で、政府の許可無く改宗した場合は最高で禁錮2年となっている。これらの法案は、2015年1月に議論される予定。
保守派仏教徒の危機感の現れか
ミャンマーでは多数派仏教徒と少数派イスラム教徒との間で対立が表面化しており、2012年以降、西部ライカン州などでは激しい衝突が頻発し、200人以上が死亡している。人口抑制の法案には産児制限も含まれ、イスラム教徒の増加を抑える狙いがあるようだ。
多数派の仏教徒らの“仏教社会を守りたい”という主張に政権が応じた形だが、上級僧侶のグループが率いるMa Ba Tha(Central Nationality and Religion Safeguarding Association)は、国内外の人権団体の批判にもかかわらず、テインセイン政権に圧力をかけている。
近年ではバングラデシュなどからイスラム教徒が多く流入しているため、保守派仏教徒の危機感があおられたともいえるだろう。これらの法案が、今後さらなる宗教対立に発展することが懸念される。
(画像はIRRAWADDYより)
外部リンク
Myanmar parliament to consider interfaith marriage bill
http://www.nationmultimedia.com/breakingnews/Myanmar
‘Protection Laws’ Submitted to Burma’s Parliament
http://www.irrawaddy.org/burma/protection-laws
Controversial religion bills submitted to parliament
http://www.mmtimes.com/index.php/national-news/
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