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2013-12-07 18:00

社会

エーヤワディー川のマングローブが消滅の危機

エーヤワディー川
毎年、51平方キロメートルのマングローブが消滅している
シンガポール大学の研究によると、エーヤワディー川の河口、デルタ地帯に広がる森林、マングローブが消滅の危機にあるという。

エーヤワディー川は、ミャンマー中央を南北に貫き流れる川で、下流には広大なデルタ地帯を形作っている。流域面積は、41万平方キロメートルに達し、ミャンマー国内最大である。漁業や水運が盛んで、下流のイラワジデルタには豊かなマングローブが広がっている。

シンガポール大学の研究チームは、11月21日、同大学が刊行する「地球環境変動」(Global Environmental Change)の誌上で、衛生写真を使って行った観測の結果を述べた。これによると、今から33年の間に64パーセントのデルタ面積が失われると予測される。1年に換算すると、毎年、51平方キロメートルに値する。

Image:by wallygrom(画像はイメージです)

悪天候の際、洪水の危険性が増加
同大学の、生化学学者、エドワード・ウエブ教授は、この事態に対し、何の処置も行われない場合、早くて2019年、遅くても2044年にはマングローブが消滅するだろうと述べた。また、この影響で、悪天候の際に起こる被害が増大し、最悪、800万人以上の人々が危険にさらされるだろうと予測した。

マングローブは、この地域の生態系に重要な役割を果たしている。大雨の際、川の沿岸侵食を防ぐ障害壁ともなっている。2008年5月に発生した大型サイクロンは、デルタ地域に住む770万の住人のうち、13万8000人の命を奪った。

この被害に対し、国連の食糧農業機関は、もし、マングローブが、現在ほど破壊の進んでいない元のままの状態であったら、被害の規模は縮小していただろうと述べた。

マングローブは、また、多様な生物が存続するための重要な場所でもある。ワニ、イルカ、サメ、カメ、多種の渡り鳥などが生息している。


外部リンク

Le Petit Journal
http://www.lepetitjournal.com/bangkok/birmanie-myanmar/en-bref/

National University of Singapore
http://www.nus.edu.sg/

The Irrawaddy
http://www.irrawaddy.org/burma/
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