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2022-01-30 14:00

政治

国連、ミャンマーの「文民統治回復」への協力を国際社会に要請

国連
緊急かつ新たな取り組みのとき
国連人権高等弁務官であるミシェル・バチェレ氏は1月28日、ミャンマー軍による市民への暴力行為をやめさせ、クーデターで権力を掌握してほぼ1年となる軍事政権から文民統治へ回復するために、国際社会に対して協力を要請した。

バチェレ氏は、
「地域内外の政府や企業に、この申し立てに耳を傾けるよう要請する。ミャンマーの人権と民主主義を回復し、組織的な人権侵害と虐待の加害者が責任を問われることを確実にするための緊急かつ新たな取り組みのときが来た」(プレスリリースより)
と述べている。

ミャンマーでは昨年2月1日に国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏が率いる文民政権から権力を掌握し、スーチー氏をはじめとする旧政権のトップを拘束。

国民はクーデターに抗議しているが、この1年で少なくとも1,500人が国軍により殺害され、1万2,000人近くが恣意的に拘留された。

現在も約8,792人が拘留されており、少なくとも290人が拘留中に死亡し、その多くは拷問が原因である可能性が高い。

国家崩壊の危機
ミャンマーでは状況が緩和されるどころか戦闘が激化しており、最も激しいサガイン地域、チン、カチン、カヤ、カレンの各州では、地域社会への支援が国軍により禁止され、処罰の対象となるという。

国軍は平和的な抗議活動に車両で突っ込んだり、礼拝所や診療所など民間施設などに砲撃したりするなど、無差別攻撃といえるような行動を続けている。

一方、コロナのパンデミックの影響で銀行、運輸、教育、その他のセクターは崩壊の危機にあり、経済に大きな打撃を与えているの現状だ。

国連の調査によると、ミャンマーでは2022年に人口の半数が貧困に追いやられる可能性があるという。

国際社会がどこまでできるのか、今後の展開に注目が集まる。


(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国連
https://www.un.org/

国連のプレスリリース
https://news.un.org/

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