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2022-11-03 09:00

政治

ミャンマー軍事政権、独立系メディアの免許剥奪

イラワジ
批判的な報道を排除か
クーデターにより権力を掌握したミャンマー軍事政権は、『イラワジ紙』としても知られる独立系メディアの『エーヤワディー・ニュース・マガジン(The Irrawaddy)以下「イラワジ」』の免許を剥奪した。

10月31日付けの電子版のイラワジによると、軍事政権が管理する同国情報省が10月29日、国営メディアを介して、イラワジの報道が「国家の安全、法の支配、公共の静けさ」を損ねていると非難。さらに、11月2日以降イラワジの活動が禁止され、免許が取り消されたと発表したという。

また、イラワジが国家安全保障法に違反したとして起訴している。

昨年2月の軍事クーデター以降、イラワジは平和的な反軍事運動参加者に対する政権の残虐な取り締まりと、日常的な超法規的殺害、恣意的な逮捕、住宅地への空爆、放火など、民間人に対する残虐行為を最前線で報道。また、国内外で政権との怪しげな関係を築いているビジネスのネットワークも暴露していた。

このような軍事政権に対する批判的な報道が、免許剥奪につながったと見られる。

メディアを標的にする軍事政権
1993年に設立された『イラワジ』は、ビルマ語と英語の両方で政府による虐待に光を当てた速報報道と調査記事で知られているため、クーデター後に軍事政権は「軍を無視した」として、イラワジ全体に対して訴訟を起こし、イラワジのウェブサイトは軍事政権によりすでに禁止されていたという。

2021年後半にはヤンゴンにあるイラワジのオフィスが2回治安部隊によって強制捜査され、イラワジはミャンマー国内での活動を停止して制作スタッフと編集スタッフを国外に移動させた。そのためイラワジに対する今回の禁止の実際的な影響は限られたものだったという。

なお、クーデター以降、ミャンマー軍事政権は少なくとも20のメディアグループを取り締まり、140人以上のジャーナリストを拘留。そのうち60人は刑務所に留まり、4人は拘留中に死亡した。

(画像はThe Irrawaddyより)


外部リンク

After Repeated Crackdowns, Myanmar Junta Officially Bans The Irrawaddy
https://www.irrawaddy.com/

Myanmar junta bans Irrawaddy news agency after months of harassment
https://www.rfa.org/

Myanmar junta bans other media outlet in crackdown on independent press
https://www.laprensalatina.com/

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