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2019-04-29 12:00

政治

国際人権団体、ミャンマー政府に平和的な表現を犯罪とする法律廃止を要請

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
NLD政権下で急速に低下する表現の自由
米国に基盤を持つ国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は4月26日、ここ数週間で国軍や政府に対する平和的な批評をする者がミャンマー当局に逮捕されていることに懸念を示した。

HRWは、29日に始まるミャンマー議会で、批評する者を黙らせ、表現の自由を抑制するために使われる弾圧的な法律を廃止または修正すべきだと主張している。

また、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)政権下で、風刺芸能人、政治活動家、ジャーナリストの逮捕が急増していることは、ミャンマーにおける表現の自由の急速な低下を反映していると指摘した。

風刺的な演技で逮捕
HRWによると、ミャンマー当局は様々な法律、特に電気通信法の下で平和的な批評をする者たちを逮捕してきたという。

伝統的な太鼓の演奏と一緒に歌や踊りが披露されるタンジャット(Thangyat)のグループPeacock Generation Thangyatのメンバーは、風刺的な演技をライブ配信して15日に逮捕された。

警察はこれまでPeacock Generation Thangyatのメンバー5人のうち3人を電気通信法違反で起訴している。一方、Facebookでライブ配信をした4人は釈放された。

HRWのアジアデレクターであるブラッド・アダムス(Brad Adams)氏は、
「人々が冗談をいっていることで逮捕しているとしたら、それはミャンマー当局がどれほど敏感になっているかを示している」(プレスリリースより)
と述べている。

電気通信法違反で逮捕された人々
23日には、国家機密法違反の罪で7年の禁固刑を受けたロイター通信の記者2人が最高裁判所へ上告したが棄却された。HRWは、彼らがロヒンギャに対する大虐殺を調査したことで報復されたと見解を示している。

また、最近の憂慮すべき事件として、2008年の憲法下での国軍を批判した一連のFacebook投稿に対する刑事訴訟で、映画製作者および人権活動家のMin Htin Ko Ko Gyi氏の拘束に言及。4月12日の審問で、裁判所は彼が肝臓癌を患っていても保釈しなかったと批判している。

4月22日には、国軍と民族武装集団であるアラカン軍との戦闘の報道について、地元メディアThe Irrawaddyの編集者に対して国軍が刑事訴訟を起こした。The Irrawaddyは、民間人の死傷者と、1月に急増した敵対行為に巻き込まれた国内避難民について定期的に報告している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2018 Thein Zaw/AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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