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2020-05-30 12:00

社会

国際人権団体、新型コロナの規制違反で数百人逮捕のミャンマーを批判

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
3月下旬以降、少なくとも500人を逮捕
米国を基盤とする国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は5月28日、ミャンマー当局が新型コロナウイルス(Covid-19)に関連する規制違反で3月下旬以降、少なくとも500人を逮捕していることに関し、過剰な逮捕を止めるよう要請した。

逮捕された約500人は子供、帰国移民労働者、宗教的マイノリティを含み、国家災害管理法、伝染病予防と管理法、およびさまざまな刑法の規定に基づいて懲役1ヶ月から1年の刑を言い渡されているという。

ミャンマーでは3月と4月に、国、州、および地方自治体がCovid-19の蔓延を防ぐことを目的としたいくつかの命令と制限を発表。これらの措置には、入国者に対する28日間の隔離、夜間外出禁止令、5人以上の集会の禁止、およびいくつかの町レベルの封鎖が含まれている。

逮捕者のほとんどは夜間外出禁止令に違反して起訴され、最高で6ヶ月の懲役刑になるという。

規制違反逮捕でリスクを増大し逆効果
HRWのアジア担当次長であるフィル・ロバートソン(Phil Robertson)氏は、
「社会的距離をとって公衆衛生上のリスクを制限することは重要だが、夜間に外出することで人々を投獄にすることは、すべての人のリスクを増大させるだけだ」(プレスリリースより)
と述べた上で、
「混雑した非衛生的な刑務所に何百人も閉じ込めると、Covid-19の蔓延防止という目的が損なわれる」(プレスリリースより)
とつけ加えた。

ミャンマーでは4月、非衛生的な刑務所がCovid-19の蔓延につながることを懸念し、恒例の新年の恩赦で約2万5000人の囚人を釈放したばかりだ。

国連は4月、Covid-19と人権侵害に関するブリーフィングで、強固なセキュリティー対策は健康を損なうだけでなく、既存の脅威を悪化させたり新たな脅威を生み出したりする可能性があることに言及。法の支配の下、人権を保護しながら差し迫った脅威に対処することが求められている。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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