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2020-03-20 09:00

社会

ミャンマー国軍、報道審議会の介入で報道機関への告訴取り下げ

告訴取り下げ
エーヤワディー・ニュース・マガジンとロイター
ミャンマー国軍は3月18日、同国報道審議会(MPC)の介入を受けて、2つの報道機関に対する名誉毀損の告訴を取り下げた。

告訴が取り下げられたのは、反ミャンマー政府系新聞の「エーヤワディー・ニュース・マガジン」(The Irrawaddy)と、イギリス・ロンドンに本拠を置く通信社の「ロイター(REUTERS)」だ。

国軍は2019年4月12日、エーヤワディーと編集者のYe Ni氏に対して、内戦で荒廃したラカイン州での武力紛争に関する回顧録の出版をめぐって苦情を申し立てていた。

また、ラカイン州の家屋に砲弾が直撃して妊婦を含む女性2人が死亡した事件で、国軍に不利な証言や報道をしたとして、3月9日にロイターと地元議員を告訴している。

両報道機関は、人々を中傷するために通信ネットワークの使用を禁止した「2013年電気通信法のセクション66(d)」に基づいて告訴され、有罪となれば最大2年の禁固刑に処される可能性があったという。

メディアを第四権力として受け入れる
国軍はMPCに対して、
「報道が誤解を招き、その尊厳とイメージを損なうため告発した」(Radio Free Asiaより)
と伝えていたが、MPCは報道機関とより良い関係を構築するために告訴を取り下げるよう要請した。

MPCとの会談で国軍最高司令官は、
「メディアを第四権力として受け入れる」(Radio Free Asiaより)
と述べたという。

第四権力とは、行政・立法・司法の三者の権力に加えて、報道をそれらに次ぐ権力とするものだ。

国軍はこれまで国軍に不利な報道や表現をした者に対して、電気通信法を利用して告訴し、沈黙させるという手法をとっていたが、これを機に改善される可能性がある。

なお、ロイターとともに告訴された議員の訴訟は取り下げられていない。

(画像はThe Irrawaddyより)


外部リンク

Myanmar’s Military Ditches Irrawaddy and Reuters Lawsuits
https://www.irrawaddy.com/

Myanmar army withdraws criminal complaint against Reuters
https://www.reuters.com/

Myanmar Army Drops Defamation Cases Against The Irrawaddy, Reuters
https://www.rfa.org/

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