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2020-02-08 07:00

社会

【国連調査】ミャンマーのアヘン用ケシ栽培が前年より11%減少 

UNODC
ケシ栽培の減少が再び顕著に
国連麻薬犯罪事務所(UNODC)は2月5日、2019年のミャンマーのアヘンに関する調査結果を報告し、同国のアヘン用ケシ栽培の総面積が前年より11%減少していることを明らかにした。

UNODCによると、栽培面積がわずかに増加したカチン州を除くすべての地域で減少が見られ、ミャンマーのケシ栽培の85%を占めるシャン州では14%減少。シャン州では2015年以降、ケシを栽培する面積が減少し続けているという。

2019年の1ヘクタールあたりの全国平均収穫量は15.4kgと推定。UNODC地域代表のジェレミー・ダグラス(Jeremy Douglas)氏は、
「昨年、栽培の減少が再び顕著になった」(プレスリリースより)
と述べている。

代替開発プログラムで一定の成果
UNODCはアヘンの価格データも強調しており、2018年から2019年にかけて、新鮮なアヘンの平均出荷価格が7%、乾燥アヘンが4%低下したと報告。過去4年間で、同価格はそれぞれ63%と51%低下したという。

供給の減少による価格の低下は、この地域のヘロインの需要が低下していること、および市場が合成薬に強く移行し続けていることを示唆していると分析。さらに、価格の低下は栽培の魅力が薄れ、栽培減少につながるとの見解を示した。

アヘン用ケシ栽培は、正当な収入の実行可能なソースを提供する代替開発プログラムを通じて、一部の地域で緩和されている。

内務省のアウン・トゥ(Aung Thu)副大臣は、
「政府はさらに減少することを喜んでいるが、進歩を続け、持続可能性を確保しようとするなら、より多くの支援をアヘン生産地域に提供する必要がある」(プレスリリースより)
と述べた。

犯罪グループや紛争との関わりを示唆
UNODCによると、ヘロインの需要は減少し続けている一方、組織化された犯罪グループが依然として相当な収入を生み出していることに言及した。国内ヘロイン消費量は6トンもあり、最大2億9000万ドルに相当。輸出は約10億ドルを生み出しているという。

また、紛争とアヘンの関係を再確認し、シャン州とカチン州の紛争が発生しやすい地域で最高レベルの栽培が行われ続けていると報告している。

(画像はUNODCより)


外部リンク

UNODC
https://www.unodc.org/

UNODCのプレスリリース
https://www.unodc.org/

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