2018-03-19 06:00
社会
Facebookがロヒンギャへの憎悪を助長させるツールに:国連報告
SNSが憎悪助長の重要な役割を果たす
ミャンマーの人権状況を調査する国連特別報告者の李亮喜(Yanghee Lee)氏は3月12日、スイスのジュネーブで30ページにも及ぶ人権状況を報告した。李氏は、ミャンマーで迫害されているイスラム系少数民族ロヒンギャに対する憎悪の声を広める上で、ソーシャルメディア(SNS)が「重要な役割」を果たしていることを発見したという。
また、SNSが憎悪を助長させる役割を果たしていることについての懸念も強調した。
国連のミャンマー独立国際事実調査団(Independent International Fact-Finding Mission on Myanmar)のマルズキ・ダルスマン(Marzuki Darusman)議長は、
「SNSは国民の間で実質的に批判と分裂と対立の一因となっている」(THE NEW REPUBLIKより)
と記者団に語った。さらに、
「ヘイトスピーチは確かに、もちろん、その一部である」(THE NEW REPUBLIKより)
と付け加えている。「Facebookが獣と化した」
李氏によると、ミャンマーでは2011年の民主化移行に伴いSNSが活用されるようになり、政府と国民をつなぐ重要なツールとしてFacebookが使われているという。政府の情報委員会のFacebookページでは、戦闘中のアラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)のメンバーであると非難された、46人の子供を含む1,311人の写真が名前のリストとともに発表されている。
当初は公のメッセージを伝えるためにFacebookが使われたが、超ナショナリストの仏教徒が自分たちのFacebookアカウントを持ち、ロヒンギャやその他の少数民族に対する暴力や憎しみを助長しているという。
李氏は、
「Facebookが獣と化したのではと心配している」(Brinkwireより)
と懸念を示した。Facebookの立場は
Facebookによると、これまでに憎悪などの言動に対処するため努力をしてきており、ミャンマーでも巨大化したプラットフォームに対して特別な安全ガイドを設けているという。この安全ガイドには、ヘイトスピーチの防止、定期的な訓練セッションの開催なども含まれている。
Facebookはこの問題を「非常に真剣に」受け止めているといい、
「当然、我々はできる限り多くのことを行い、地域の専門家と協力してコミュニティを安全に保つことを支援する」(Brinkwireより)
と立場を明らかにした。(画像はSOUTHEAST ASIA GLOBEより)
外部リンク
Facebook Has a Genocide Problem
https://newrepublic.com/
Facebook Played Role in Spreading Hate Speech Against Rohingya in Myanmar Says U.N.
http://en.brinkwire.com/
UN blasts Facebook for role in possible genocide
http://sea-globe.com/
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