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2018-02-19 19:30

社会

ロヒンギャ危機主導のミャンマー国軍最高司令官、タイ王国より勲章授与

国軍最高司令官
外国人に贈られるタイ王国最高の勲章
ミャンマー・ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対して「掃討作戦」を実施したとして国際的な非難を受ける中、治安部隊を率いた国軍最高司令官のミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)氏がタイ王国より勲章を授与されたという。

同氏はタイ王国の首都バンコクで行われた授与式でタイのカウンターパートとともに撮影された写真を自身のFacebookページに掲載した。

同氏が授与されたのは、外国人に贈られるタイ王国最高の勲章である「白象勲章(Order of the White Elephant)」の勲一等「ナイト・グランド・クロス(Knight Grand Cross)」である。

報道によると、反政府武力勢力であるアラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)が昨年8月25日にラカイン州の政府安全保障拠点に攻撃を仕掛ける4日前となる21日に、ミン・アウン・フライン氏は勲章授与にノミネートを受けていたという。

また、タイ王国は勲章授与の理由を
「両国間の長期的かつ緊密な関係を示すため」(FRONTIER MYANMARより)
と述べている。

人権団体は非難
一方、人権団体であるビルマ・ヒューマン・ライツ・ネットワーク(Burma Human Rights Network)は、タイ王国は大多数が仏教徒であるミャンマーでロヒンギャをはじめとする少数民族が迫害を逃れるために避難する国の1つであり、そのような避難民を目にしているにも関わらず、国軍最高司令官に勲章を授与するのは越えてはならない一線を越えたと非難している。

同ネットワークのKyaw Win氏は、
「この種の人はこのような偉大な勲章を授与されるに値しない」(REUTERSより)
と語ったという。

ミャンマーでは昨年8月にARSAが襲撃事件を起こして以来、治安部隊によるロヒンギャ虐殺などが疑われ、国際社会から「民族浄化」などと大きな懸念が示されていた。

タイ王国の軍報道官は、
「タイの軍隊を支持している他の国の軍司令官に王室勲章を与えている」(REUTERSより)
とこれまでの経緯を説明している。

なお、タイ王国の「白象勲章」は、政治家の大平正芳氏や土屋義彦氏などの日本人も受勲している。

(画像はFRONTIER MYANMARより)


外部リンク

Thailand Honors Myanmar’s Military Chief with Medal
http://southasiajournal.net/

Thailand decorates Myanmar's army chief amid Rohingya crisis
https://uk.reuters.com/

Min Aung Hlaing honoured by Thailand despite international condemnation
https://frontiermyanmar.net/

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