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2018-11-14 17:00

社会

アムネスティ、スーチー氏の人権賞を撤回

アムネスティ
「人権擁護の象徴ではなくなった」
国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International 以下「アムネスティ」)は11月12日、2009年の自宅軟禁下でミャンマーのアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏が授与した同団体の最高の栄誉に当たる「良心の大使賞」を撤回することを発表した。

アムネスティによると、同団体のクミ・ナイドゥ(Kumi Naidoo)事務総長が11日にスーチー氏へ賞を取り消すことを書簡で伝えたという。

同書簡には、アムネスティ・インターナショナルの良心大使として、スーチー氏が目にした不正行為に対して道徳的な権限を引き続き使用することを期待していたとした上で、
「あなたがもはや希望、勇気、そして永続的な人権擁護の象徴ではなくなったことに深く失望している」(プレスリリースより)
と記されている。

アムネスティがスーチー氏の「良心の大使賞」を撤回するに至った経緯は、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害に関して、同氏とミャンマー政府が国軍による残虐行為を否定しただけでなく、国際的な人権侵害の調査を妨害したからだという。

アムネスティは、
「スーチー氏がロヒンギャのために発言しなかったことは、私たちがもはや良心の大使としての地位を正当化することができなくなった理由の一つである」(プレスリリースより)
と述べている。

抑圧的な法律の積極的な使用を擁護と指摘
アムネスティは、スーチー氏主導の民間政府が表現の自由や平和的集会の自由に関する人権をより良く保護する制定の権限を持っているにもかかわらず、スーチー氏が政権を握ってから、人権擁護家、平和活動家、ジャーナリストが逮捕・投獄され、他の人たちは脅迫、嫌がらせ、脅迫に直面していることに言及。

抑圧的な法律を廃止せず、積極的にそのような法律の使用を擁護していると指摘している。

スーチー氏はこれまで、世界各国で様々な賞や称号を授与されているが、ロヒンギャへの迫害を巡り、過去に授与された賞が相次いで撤回されている。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/en/

アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/latest/news/

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