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2018-09-30 22:15

社会

【ロヒンギャ問題】カナダ議会が全会一致でスーチー氏の名誉市民号を剥奪

称号剥奪
迫害を阻止できなかったことに対する措置
カナダ議会下院は9月27日、ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家顧問に与えたカナダの名誉市民の称号を剥奪することを全会一致で決定した。

ミャンマーでは昨年より、ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対する国軍の残虐行為が問題となっており、国際社会から非難の声が上がっていた。しかし、ミャンマー政府はもとより、スーチー氏も迫害の事実を認めていない。

今回の称号剥奪は、これらロヒンギャ問題でスーチー氏が迫害を阻止できなかったことに対する措置だという。

カナダの名誉市民の称号はこれまで6人にしが与えられておらず、スーチー氏はそのうちの1人で2007年に授与された。

なお、スーチー氏はミャンマーの民主化を目指す努力が認められ、1991年にノーベル平和賞も受けている。

信頼を失ったスーチー氏
カナダのジャスティン・トルドー首相は26日、スーチー氏の称号剥奪を目指していることを記者団に明らかにしているが、
「称号を剥奪しても、70万人以上のロヒンギャが政府の弾圧を受けたミャンマーの危機は終結しない」(REUTERSより)
と語っている。

しかし、カナダ議会下院が全会一致で称号剥奪を決定したことは、カナダがロヒンギャに対する残虐行為を認めないという総意の表れだろう。

カナダ人の人権活動家であるアレックス・ネーヴェ氏は、
「ロヒンギャの殺害を報告しながら、国家機密法違反で逮捕されたロイター通信の記者が実刑判決を受けたことを擁護したとき、スーチー氏は“彼女が持てたかもしれないわずかな信頼”も失った」(CTV NEWSより)
と見解を述べている。

スーチー氏は、失った信頼を取り戻すことができるのだろうか。

(画像はREUTERSより)


外部リンク

MPs vote to revoke Aung San Suu Kyi's honorary Canadian citizenship
https://www.ctvnews.ca/

Canada MPs, in symbolic move, vote to strip Suu Kyi of citizenship
https://www.reuters.com/

Canada MPs vote to strip Aung San Suu Kyi of honorary citizenship
https://www.bbc.com/

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