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2017-02-09 06:00

社会

ロヒンギャへの性的暴行で「ミャンマー治安部隊の指揮官は責任を負うべき」:人権NGO

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
国際的な機関による調査をミャンマー政府に要請
米国ニューヨークを本拠とする国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は2月6日、ミャンマー国軍が2016年後半にラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャの女性に対して、レイプやその他の性的暴行を強要したと発表。

さらに、これらのロヒンギャ女性に対する性的暴行に関して、国際的な機関による調査を緊急に行うことをミャンマー政府に要請した。

HRWによると、昨年10月9日から12月中旬にかけて、ラカイン州マウンドー地区で国軍兵士と国境警備隊員による性的暴行事件が少なくとも9件起きているという。

また、バングラデシュのHRWの調査員は昨年12月から今年1月に聞き取り調査を行い、18人中11人の女性が被害を逃れ、10人の男性も性的暴行を逃れたことが分かった。

さらに、暴行を逃れた17人の男女が妻、姉妹、娘を含む女性の性的暴行を目撃したと証言している。

HRWはこれらの調査結果をまとめ、28件の性的暴行を文書化したという。

ロヒンギャをターゲットにした“組織的”な性的暴行
HRW上級調査官のPriyanka Motaparthy氏は
「国軍兵士や警察官によるロヒンギャ女性と少女に対するこれらの恐ろしい攻撃は、女性に対する性的暴力が長く続くミャンマー国軍に残忍な歴史を新たに付け加えている」(プレスリリースより)
と述べた上で、
「軍隊や警察の指揮官がこれらの犯罪を止める、あるいは関係者を罰する力を備えていなければ、指揮官がこれらの犯罪に対して責任を負うべきだ」(プレスリリースより)
と付け加えている。

HRWによると、性的暴行は無作為に行われたものではなく、ロヒンギャに対する民族的・宗教的な攻撃の一部で、“組織的”に行われていたという。

この地域では、昨年10月9日に国境警備隊がロヒンギャ武装勢力による攻撃を受けたことを機に、治安部隊によるロヒンギャ弾圧が激化し、国際社会から「民族浄化」だと懸念されている。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

Human Rights Watch
https://www.hrw.org/

Human Rights Watchのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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