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2016-11-21 19:00

社会

オーストラリア銀行火災、ロヒンギャ亡命の難しさ浮き彫りに

ロヒンギャ
亡命希望のロヒンギャ男性に容疑の疑惑
オーストラリア・ヴィクトリア州の州都であるメルボルンのコモンウェルス銀行(Commonwealth Bank)スプリングベール支店で11月18日に火災が発生し、数人の子どもを含む27人が負傷した。

この火災で容疑者として浮かび上がったのは、2013年にボートでオーストラリアに到着したロヒンギャの男性ヌール・イスラム氏(Nur Islam/21歳)だ。

イスラム氏は火災事件の前数週間にわたり銀行を訪れ、引き出しを要求していた。しかし、生活保護費の支払いが中止された後、口座にはお金がなく、銀行での引き出しができずに日々動揺が深まったという。

容疑の決め手となったのは、イスラム氏が銀行のある通りで容器を拾い上げ、ガソリンスタンドでガソリンをその容器に入れたことが防犯ビデオに残されていたからだ。

地元メディアによると、イスラム氏は過去に警察沙汰になるような重要な問題を起こしたことはないという。

ロヒンギャ亡命の難しさ
イスラム氏が同国に到着したのは10代のとき。彼の家族はミャンマーにおり、オーストラリアには到着時に知り合った数人の友人しかいなかった。

また、ミャンマーでの貧しい教育で英語があまり上手ではなく、コミュニケーションにも問題があり、仕事を見つけることができなかったという。

さらに、生活保護費を発給するCentrelinkと問題を抱えていたという話もある。Centrelinkでは「すでに支払われた」というので銀行に行くが、銀行では「入金されていない」といわれることが数回繰り返されたという。

そのため、イスラム氏は生活保護費を受け取ることができず、家賃も払えないほどの金銭的問題を抱えていた。さらに、ミャンマーにいる妹の医療費支払いを母親に頼まれてもいた。

イスラム氏は同火災により負傷した27人の内の1人で、病院に収容されている。状態は安定しているというが、本人から事情を聞くことはできていない。

難民の受け入れは世界的に社会問題化しているが、受け入れ側はもちろん、多くの難民も亡命先で苦悩しているのかもしれない。


外部リンク

Melbourne bank fire: Suspect a member of Burmese community who was seeking temporary protection visa
http://www.abc.net.au/

Australia bank fire started by Myanmar asylum seeker
http://www.bbc.com/

Myanmar asylum seeker Nur Islam had been visiting banks for weeks pleading for money before blast
http://www.heraldsun.com.au/

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