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2017-11-23 12:00

社会

国際人権団体が「ロヒンギャ差別はアパルトヘイト」と分析

アムネスティ
「アパルトヘイト」に相当する国家主導の制度化された差別
英国を本拠地とする国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International、以下「アムネスティ」)」は11月21日、ミャンマー・ラカイン州におけるロヒンギャ危機の根本的な原因に関する新たな分析を発表した。

アムネスティによると調査は2年間行われ、その分析結果として、イスラム系少数民族「ロヒンギャ」がミャンマーで「アパルトヘイト」に相当する国家主導の制度化された差別の悪質な体制に閉じ込められていると主張。

その理由として、ミャンマー当局がロヒンギャの生活のあらゆる側面を事実上厳しく制限し、医療や教育などへのアクセスにとどまらず、一部の地域では村を出ることさえ制限されているという。

アムネスティのアンナ・ネイスタット(Anna Neistat)氏は、
「ミャンマー当局は、ロヒンギャの女性・男性・子供を分離し、アパルトヘイトの非人道的な体制で飼い続けている。彼らの権利は毎日侵され、抑圧は近年激化している」(プレスリリースより)
とロヒンギャ危機の根本的な原因を明らかにした。

「アパルトヘイト」の実情
ロヒンギャはミャンマーで何十年にもわたり、組織的かつ政府主導の差別に直面していたが、イスラム教徒と仏教徒の間で紛争が勃発した2012年以降は、このような抑圧が激化しているという。

ラカイン州全体の規制では、「外国人」と「ベンガル人種(ロヒンギャに対する差別的な呼称)」は町を移動するための特別な許可が必要だと明確に述べられ、同州北部では村と村の行き来でさえ、許可制度により制限されている。

また、国境警察が常駐するチェックポイントでは、定期的な嫌がらせや賄賂の支払いを強制。実際、アムネスティのスタッフは調査中、このようなチェックポイントでロヒンギャの男性が蹴られているのを目撃したという。

このような現状を踏まえ、アムネスティはロヒンギャが隔離された「野外刑務所」で暮らしているようだと表現している。

アムネスティによると、ミャンマーはこのような「アパルトヘイト」の制度解体を法的に義務付けられており、人道・人権侵害に関する行為に対する責任を追及する必要があるという。

なお、「アパルトヘイト」とは、かつて南アフリカで推進された人種隔離政策のことである。

(画像はアムネスティ・インターナショナルより)


外部リンク

アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/en/

アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/en/latest/news/

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