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2014-07-27 00:00

社会

【国境なき医師団】サイトメガロウイルス網膜炎の経口薬を導入

国境なき医師団
患者の苦痛が軽減、医師による治療も簡単に
国境なき医師団(MSF)は、オーストラリア・メルボルンで開かれているの第20回国際エイズ会議で、HIV・エイズに伴う感染症であるサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎の経口薬による治療をミャンマーで開始したと発表した。

CMV網膜炎は軽視されがちな疾患だが、治療をしないと失明する可能性もある。これまでミャンマーでは、週に一度“眼球に直接注射をする”治療法しかなかったが、注射には繊密な訓練を受けた医師が必要とされる上、患者にとって実に不快な処置であった。

今後、患者はCMV網膜炎の経口薬「バルガンシクロビル」を最長6カ月服用するだけとなる。MSFは2015年までに、対象をミャンマー全土に広げ、CMV網膜炎と診断されたMSFの患者にこの内服治療を提供する予定である。

MSFは世界各地でHIV・エイズ治療プログラムに取り組んでいるが、この錠剤が使用可能となったのは今回が始めてだ。

(画像はプレスリリースより)

長年の交渉が実を結ぶ
MSFは長年にわたり製薬会社ロシュ社と価格交渉を行い、ようやくミャンマー南部ダウェイの患者に対して「バルガンシクロビル」による治療を開始する運びとなった。

もちろんMSFはこの流れを歓迎しているが、さらに「バルガンシクロビル」の価格を引き下げたい考え。とりわけ、他の製薬企業が参入することによる価格競争を期待している。

目覚ましい成果
ミャンマー南部ダウェイで「バルガンシクロビル」による治療を受けている患者は、目覚ましい成果を上げているようだ。

4児の母である患者の1人は、2月にHIV感染とCMV網膜炎の診断を受けた。以前は休んでばかりであったが、服用後は調子がよく、1人でどこへでも出かけられるようになったそうだ。また、副作用も全く出ておらず、とても喜んでいる。

多くの患者が「バルガンシクロビル」による治療を早く受けられるようになることを願いたい。


外部リンク

国境なき医師団(MSF)
http://www.msf.or.jp/

国境なき医師団(MSF)のプレスリリース
http://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease

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