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2021-04-23 08:00

社会

国際人権団体、ミャンマー軍事政権トップのASEAN会議招待の取り消し要請

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
国軍の行動に正当性を与えることに
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は4月21日、東南アジア諸国連合(ASEAN)が、ミャンマーの暫定軍事政権のトップであるミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)上級大将を24日にインドネシアのジャカルタで開催される緊急会議に招待したことに対し、直ちに同上級大将の招待を取り消すことを要請した。

HRWは、ミン・アウン・フライン上級大将をASEAN会議に含めることは、2月1日にミャンマーで起きた軍事クーデターにより権力を掌握した国軍の行動に正当性を与えることになると指摘している。

つまり、現在も進行している抗議者への軍事的な残虐行為を認めることになるということだ。

HRWのアジア局長であるブラッド・アダムス(Brad Adams)氏は、
「ASEAN加盟国はこの機会を利用して、暫定軍事政権のトップと同政権へ資金を提供する企業に的を絞った経済制裁を課し、政治的に拘束された人々を釈放して残虐行為を終わらせ、選挙で選出された民主的な政権を復活させるように圧力をかけるべきだ」(プレスリリースより)
と述べている。

求められるASEANとしての打開策
HRWによると、マレーシアとインドネシアは軍事クーデターについて公に懸念を表明し、シンガポールとフィリピンはミャンマー治安部隊に節度をわきまえるように要請したという。

一方、ASEANはグループとして、「すべての当事者」に暴力を控え、「建設的な対話」を通じて平和的な解決策を模索するよう呼びかけているに過ぎない。

ASEAN加盟国は内政不干渉原則やコンセンサスによる意思決定手続きといった規範を通して互いの主権を尊重しあうことになっているが、ミャンマーの危機に関しては何らかの打開策が求められているだろう。

なお、クーデター以来、少なくとも45人の子供を含む700人以上のミャンマー国民が治安部隊によって殺害され、推定3,200人の活動家、ジャーナリスト、公務員、政治家が拘束されたという。

(画像はプレスリリースより)
(C)2021 Tatmadaw True Information Team Facebook page via AP


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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