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2023-07-01 09:30

経済

ミャンマー当局、賃上げストライキの縫製工場労働者10人を逮捕

賃上げストライキ
自分たちの権利を要求しただけ
ミャンマー最大の商業都市であるヤンゴンの世界的ブランド「Zara」と「Pull & Bear」を供給する中国人経営の縫製工場の労働組合リーダーを含む労働者10人が、800チャットの賃上げを求める抗議活動を主導したとして逮捕され、扇動法と不法結社法に基づく起訴に直面している。

ミャンマー国営新聞は6月29日、ミャンマー軍事政権当局が暴動を扇動したとしてヤンゴン地域の縫製工場労働者10人を逮捕したと報じた。

報道によると、非合法化された労働権利団体のメンバー2人が14日から17日の間に2つの縫製工場の労働者とともに逮捕されたという。

安全上の理由から匿名を希望した組合員が逮捕された組合幹部は、
「賃金向上を求めているだけなのに政治的容疑で労働者を逮捕するのは労働者の権利の侵害である」(Radio Free Asiaより)
と述べた上で、
「これらの労働者は政治的なことは何もしておらず、賃金が低いために自分たちの権利を要求していた」(Radio Free Asiaより)
とつけ加えている。

EUはより強い姿勢を
ミャンマーではいくつかの工場労働者が、2021年のクーデターで追放されたアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟政府によって2018年に設定された日額最低賃金4,800チャット(2ドル29セント)から5,600チャット(2ドル67セント)への引き上げ、つまり1日800チャット(38セント)の賃上げを要求している。

欧州連合(EU)のミャンマー代表団は27日に声明を発表し、拘束された労働者の健康に懸念を表明し、即時解放を求めた。EUはまた軍事評議会に対し、言論や結社の自由の権利を行使した民間人の逮捕をやめ、国際労働機関が規定する基本的な職場基準をすべての利害関係者が守るよう求めている。

ミャンマー一般労働者連盟(FGWM)の会長は、
「欧州企業向けに商品を頻繁に生産している同国の工場で進行中の権利侵害に対し、EUはより強い姿勢を取るべきだ」(Myanmar NOWより)
との見解を示した。

なお、米国の経済雑誌「フォーブス」によると、「Zara」と「Pull & Bear」はどちらもスペインの企業インディテックスが所有しており、その創設者で筆頭株主のアマンシオ・オルテガ氏の純資産は894億ドルで、世界で15番目に裕福な人物だという。

(画像はMyanmar NOWより)


外部リンク

Myanmar military arrests 10 workers for garment factory strikes
https://www.rfa.org/english/

Zara Factory Staff Face Prison in Myanmar After Protest For Wage Rise
https://www.irrawaddy.com/

Yangon garment factory workers missing after arrest by Myanmar junta
https://myanmar-now.org/

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