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2014-12-29 10:00

政治

ヤンゴンで60年ぶりの地方選:自由で平等な選挙だったのか

選挙
コントロールされた投票権
ミャンマー最大都市ヤンゴンで、12月27日に地方選にあたるヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee :YCDC)の選挙が実施された。

この選挙では、政党の参加が禁止されるなど厳格な立候補要件が組み込まれているが、実業家や引退した公務員、活動家を含む293人の候補者が、YCDCの中央、地区、郡区の115議席を争った。

市内には合計1086の投票所が設けられ、午前6時より投票を開始。結果は投票終了48時間以内となっている。地元メディアは具体的な数字を上げていないが、投票率は低いようだ。

今回の選挙は、来年11月に行われる予定の総選挙の動向を図ることができるとして注目。また、暴走建設と賃料高騰、交通の悪化、衛生・公害についての不平を市民が表現できる機会となった。

一方、40万人の市民には投票権が与えられておらず、投票権は厳密にコントロールされている。

慣れない選挙で問題も
犯罪記録があるために投票権を得ることができなかった元政治犯Win Cho氏は、彼の名前が投票者リストに載っていたのを妻が発見。苦情を申し出て、リストから削除してもらった。

また、有権者の意識にも問題があったようで、有権者の1人は
「投票した1人の候補者は知っているが、他の2人は知らない。この2人がいい人であることを望んでいる」(Irraddayより)
と述べている。

もちろん、有権者の中には重要な変化を望んで投票している人もいる。

また、インセイン地区では多くの住民が公務員だが、政府は公務員に“政治と関わるようなことをするべきではない”と警告。そのため多くの人々が投票に行かない方がいいと考えたようだ。

1949年以来65年ぶりに行われたヤンゴン市開発委員会の選挙。一部の政治評論家は「自由で平等であった」と一定の評価を示しているが、それは本当の意味での「自由と平等」であったのだろうか。

(画像はIRRAWADDYより)


外部リンク

Landmark City Elections Underway in Rangoon
http://www.irrawaddy.org/burma/elections

Myanmar’s Yangon city votes for first time in 60 years
http://www.thenational.ae/world/southeast-asia/

Myanmar's Largest City Holds First Elections In 60 Years
http://en.haberler.com/myanmar-first-elections
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