• TOP
  • >
  • 社会
  • >
  • 軍閥と関連会社が行う翡翠取引 年間生産高は310億米ドルに
2015-10-29 07:00

社会

軍閥と関連会社が行う翡翠取引 年間生産高は310億米ドルに

翡翠生産
翡翠の生産高は、GDPの半分の額に相当
ロンドンを拠点に、天然資源にまつわる紛争や環境破壊を防ぐために活動を行う国際NGO、グローバル・ウィットネス(以下、同組織)は10月23日、11月8日のミャンマー総選挙を前に、同組織が1年間の調査をまとめたレポート、「翡翠 ミャンマーの壮大な秘密」を発表した。

レポートによると、ミャンマーの翡翠取引は同国の軍閥とその関連会社によって行われているほか、2014年の同国の翡翠産出高は、310億米ドル(約3兆7000億円)にのぼるという。

この額は、同国の国内総生産(GDP)の半分程度に相当するほか、同国の医療費の46倍に相当するという。しかし、地元の住民は、その利益をほとんど享受できない状態であるという。

苦しい生活と環境破壊に見舞われる翡翠の産地
2011年、同国は民政移管を果たし、それまで行われてきた軍政主導の政治は民主化へと舵を切った。しかし、翡翠生産の制度は、民政移管前とほとんど変化していないのが現状だ。

翡翠の産出が盛んな同国北部のカチン州では、翡翠の産出額は多額であり、その額を同州の人口で割ると、一人あたり1年間で2万1000ドル(約250万円)に相当する価値があるという。

しかしながら、利益の大部分は軍閥などの収益となっている現状がある。同州では、住民の生活が苦しく、また環境破壊が進行しており、地元の住民らは生活に対し不安を抱えている。

しかし、翡翠産業が軍閥主導ではなく公正に行われる産業となった場合、軍閥が翡翠産出による利益を失うおそれがあることから、反発する可能性も否定できない。レポートでは、翡翠による利益を誰が管理するべきか、また、軍閥との対立を解消するための和平案を制定しなければならないと論じている。


外部リンク

global witness(プレスリリース)
https://www.globalwitness.org/press-releases/myanmar

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook