ミャンマーニュース

ロンドンを拠点とする環境調査機関（Environmental Investigation Agency ：EIA）が発表した報告書によると、中国人によるミャンマーの森林での違法伐採・違法貿易は、10年前のピーク時に近い水準まで増加しているとのことである。

今年1月に155人の中国人が違法伐採によりミャンマーで拘束され、一時的にミャンマーと中国の両政府間が緊張状態に。

この時、違法貿易を統制していたと思われる人物あるいはグループは、捜査の手をすり抜けたとされ、違法行為はその後も継続されている。

さらに、違法伐採で拘束された中国人は7月に終身刑等を言いわたされたが、その1週間後にミャンマー大統領による恩赦で、これら中国人を含む7,000人近い囚人を釈放。違法行為に及んだ人たちは、元の生活に戻ってしまった。

また、カチン州の地方政府や軍当局、民族政治団体、カチン州と中国のビジネスマンなどが違法伐採の仲介として重要な役割を果たしているともいわれている。

違法に伐採された木材は、中国国内および海外市場向けの家具を作るために使用される。

EIAによると、中国が推進するミャンマー国内のダムやインフラ整備事業は、これまで手付かずだった森林の奥深くにまでアクセスを可能にし、貴重なローズウッドやチークが違法に貿易されているとのこと。

これらの違法貿易は陸路で行われるため、地域社会の生活を脅かし、紛争や暴力を誘発。さらに、腐敗を促進しているという。

EIAは、中国はミャンマー木材の輸入を禁止し、明確な法的枠組みを導入するよう提案。また、ミャンマーは木材の輸出に関する法律を明確にする必要があるとも明言している。

手遅れになる前に早急に法を整備し、貴重な木材の保護を推進することを期待したい。

（画像はイメージです）

外部リンク

Illegal timber trade from Myanmar grows
http://www.heraldsun.com.au/

Myanmar-China illegal timber trade still thriving: report
http://www.mmtimes.com/

Illegal timber trade from Myanmar to China growing: Report
http://www.business-standard.com/